劇団オレと松本、『骨と化粧と髪飾り』無事終演しました。
ご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。
会場は『ボンズクラブ堀北庵』
狭いよーとは聞いてたのですが、まさかほんとに町家(というかほぼ民家)だとは!!
舞台は特に狭く感じて、動きがかなり制限されたように思いましたが、その中で脚本を表現するということは逆に良い経験になったと思います。
アンケートには「狭い小屋だけに、声が大きくて耳がキンキンした。」というお声もいただき、色々な方に気持ちよく観劇していただくことの難しさも感じることができました。
うーん…。
小屋に合わせて声の調節って難しいですね。
でもでも、本当にいい小屋でした。
一階がフリースペースで、まさかの台所もあって、稽古や仕込みが終わったあとは、緊急参戦の松本さんの弟さんがご飯を作ってくれているという幸せすぎる状況(笑)
ご飯も炊きたてで、案の定ドカ食い型の私はいつものようにがっついておりました。
スタッフさん 「ご飯たけてますよ~。」
おいら 「わーい!たべるたべる~!」
挙句、差し入れの名目で、ふりかけを買ってくる始末。
食欲が止まらないわ。
ステージごとにお客様と打ち上げをするというスタイル、最高すぎます!
色々な方とお話できたり、以前ほかの劇を見てくださった方や、自分が見たことのある舞台に立っていた役者さんにお会いできたり、様々な交流ができました。
終演後すぐに、お客様から感想を言っていただけるっていいですね。
生の声というか…。
すっごいつながりが生まれて、嬉しかったです~。
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それでもって。
今回のお話、『骨と化粧と髪飾り』
いかがだったでしょうか?
私は、売れっ子女優“みちる”を演じさせていただきました。
すごい…難しかったです。
今までは幼い系担当というか、あんまりオトナの女性の役ってもらったことがなかったので、「やっべえええええ」の毎日。
自分の懐に“オトナ”がないのですよ…。
と、とにかく背伸びして背伸びしてみたりしたのですが、足りねえ…。
源氏さんのアドバイスをもとに、セリフだけに頼るんじゃなくて、声を低くしてみたり、立ち振る舞いに余裕を持たせてみたり、いとーさんの演出でイメトレしてみたり、そんなことで役作りをしていきました。
いやあ…難しかったなぁ。
何をするにもぎこちない、そんなことばっかりで、なかなかスレたみちるちゃんを自分に取り込むのは苦労しました…。
だんだん化けの皮が剥がれ、もとの純粋な素朴な女の子に戻っていくのはやりやすかったです。
無理しなくてもいいよね?って感じが。
---ちなみに---
お気に入り・小ネタ・意識してたシーンがこれ。
①最初のシーンで光子ちゃんが編んでいるマフラーと、回想シーンで光子ちゃんが羽織ってるケープはおんなじ毛糸なんです。
別に伏線張ったつもりじゃなくて、たまたま私がケープを編んだあまりの毛糸で編んでたマフラーの途中を小道具に使っただけなんですが、いい感じに繋がってくれました(笑)
②光子とみちる
おんなじ人物なのですが、過去と現在のあいだは6年違うので変化をつけてみました。
うたた寝で現在のみちるから回想のみつこへ切り替わるシーン。
どちらも起こされるのですが、
光子ちゃんは「んんぅ…」とちょっと高めの声で。
みちるちゃんは「んー…」とちょっと不満気な低めの声で、って変化をつけました。
あと座り方。
みちるちゃんは、足を横に流す感じで揃えて。
光子ちゃんは、内股で膝だけくっつけて、あとは開く感じで。
反応とかも、
みちるちゃんは「あ、そう…。」と、何事も人の目とか見ないで、手先とか化粧とか髪型とか気にしてる感じ。
むしろ無関心。
光子ちゃんは「ふぇ!?」って感じで、振り回されそうな素朴感を。いつも人の顔色とか伺ってるように。
そんな感じにしてみてたのです。
③目なんだよねぇ。
綿貫『違いが出るのは目なんだよね。』
光子『目…?』
回想で初めて綿貫と光子が出会ったシーンで、綿貫が光子に対して言った言葉。
「大女優になる」と綿貫に確信を持たせる光子の目。
それが中途半端ではいかんと、目力には始終気をつけていました。
目でも演技するようにしてたつもりです。
睨んだり、目を丸くするように驚いてみたり。
スレた様子のみちるちゃんはつねに流し目なかんじで。
素朴な光子ちゃんやラストのみちるちゃんの方が感情表現が豊かなので、そのへんの目にも気を使ってたつもりです。
④悲愴
共演者さん、スタッフさんから好評だった“悲愴”。
『ベートーヴェン/ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章Op.13』
綿貫と光子の回想シーンでかかる曲。
これ、私の選曲なんですよう!!
綿貫に振り回され、
ライバルの女優「麻生エミ」さんを陥れ、
家族は早いうちに亡くしたという嘘の記事を書かれた。
怒り狂う光子であるが、その記事によって注目され、たくさんのオファーが来ている。
自分が目指してきた世界がそこにある。
そのため、その記事を否定することなく、自分を嘘で塗り固めることを決意する。
そのシーンでかかっている“悲愴”
怒り狂っているのにも関わらず、もの哀しくさせ、
綿貫「そんなに嫌なら撤回すれば? (中略) …ねぇ?光子ちゃん」
光子「…みちる、でいいわ。」
この不穏な空気で転調するという奇跡の曲でした(笑)
光子が自分の嘘を受け入れる悲しさを盛り立ててくれたかなと思います。
⑤ふろむ さんせっと とぅー さんらいず
髭さんの呪文です(嘘)
ラストのシーンでみちると巴が想いを語るシーンで流れる曲。
舞監であるヒゲさんが、『じゃあ、from sunset to sunrise いきまーす』と言ったことで、伝説となった。
いきなり何を言いだしたのかと思えば、曲名だったんですね…。
これも良くシーンを盛り上げてくれました。
⑥衣装がすげぇ!
源氏さんの汗と涙の結晶です。
タイトルの髪飾りは特にこだわりの逸品です。
手芸用の造花を使って、みちるちゃんのイメージカラー“赤”を基調に、とても綺麗な髪飾りを作ってくださいました。
あと、真っ赤のドレス。
売れっ子女優のみちるちゃんが身につけているベロアのドレス。
光子ちゃんが何にも染まってない“白”であることから、大物感を出すために赤に。
私の子供っぽさを隠すためにブイネックにしていただき、タイトな感じに作ってもらいました。
すごい素敵~!
ありがとうございます*
⑦照明もすげぇ!
劇場ではない小屋で公演を打つということで、すごい苦労されていたのが照明。
なかなか思い通りにならず、田中さんが苦悩していたのを見ていたので、本番での素敵な光には本当に感謝です。
休憩もなく修正したり試したりとたくさん動いてくださいました><
みちる→赤
綿貫→青
巴→緑
というイメージカラーを取り入れつつ、回想などシーンが変わる場面で、照明効果がその時間軸の変化を分かりやすくしてくれていたかなと思います。
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そして、脚本を書いていただいた、小川ナオエさんが名古屋から見に来てくださいました。
土曜の夜ステ終演後、初めてお会いしました。
書いた脚本をどんな役者が演じて、どんなふうに出来上がってるかを本番を見るまでわからないってすごく不安だと思います。
私自身、ナオエさんが思い描く脚本のイメージに合っているのか、がっかりされないか、とても不安でした。
終わったあとに色々お話させていただきましたが、「お芝居を見てこの本が好きになった。」と言っていただいて、本当に嬉しかったです!
今までは当て書きが多く、役と自分が近い関係にあったのですが、今回は役に自分を合わせていく、という作り方だったので、かなり模索しましたが、結果が出せて本当に良かったと思ってます。
ナオエさん、素敵な脚本と役をありがとうございました!
あと、名古屋名物小倉トーストのお菓子をお土産でいただきました。
すごく美味しかったです~!
いやはや~。
あとあと、今回はいろんな方とお話する機会を頂いたのですが、『声が素敵でした。』とお声をかけていただくことが多々ありました。
自分の声って、低くてあんまり好きじゃなくて、小さい時からコンプレックスだったのですが、こうして舞台に立って、褒められる要素になるとは思ってもいませんでした。
不思議な世界だなーっておもいますね。
うにゃー。
そして、なぜか今回は巨乳キャラになった私。
まあ。
イトーさんのヨイショなのですが。
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『骨と化粧と髪飾り』、ご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。
みちると巴くん。
楽屋で撮ったんだぜ!
カメラのアプリが悪いのか、クソ画質←
まさかね、またも楽ステ前に泣くことになろうとは。
くっそう!!
いい現場だったんだもの!!
本当に。
スタッフさんのみなさん、オレ松のお二人には感謝感謝です。
本当にありがとうございました。
次は和田謙二だよ!